福利厚生の現実：働き方による制度の利活用格差とその脆弱さ

働き方で変わる福利厚生の利用実態

株式会社びねつが実施した「福利厚生に関する意識調査」の結果から、働き方による福利厚生制度の認知度や活用状況に明確な格差が生まれていることが分かりました。この調査では、全国の法定外福利厚生制度を有する企業で勤務する男女533名を対象に、制度の利用状況や意識について探りました。

現場ワーカーとオフィスワーカーの壁

調査によると、全体で約4割の従業員が過去1年間に福利厚生を一度も利用していないことが明らかになりました。特に、現場ワーカーの46.5％が制度を「利用ゼロ」と答えています。オフィスワーカーとの認知度の差は歴然で、オフィスワーカーの64.2％が制度を知っているのに対し、現場ワーカーはわずか43.3％でした。これは、勤務地が流動的でシフト勤務が多い現場ワーカーにとって、制度のお知らせを受ける機会が少ないことに起因しています。

制度利用を妨げる要因とは？

福利厚生制度を利用できない理由を聞いてみると、最も多かったのは「関係ない内容が多い」という意見で、これは4割を超えました。次に「利用条件が分かりにくい」や「手続きが面倒」といった声が続きました。現場ワーカーにとっては、利用時間が合わないケースも見受けられ、制度を遠ざける“3つの壁”が存在しています。

役立つ制度とその実感

一方で、福利厚生を実際に利用したことがある人に対しては、なんと8割以上が「役に立つ」と感じていることが分かりました。「全く感じない」と答えた人はいなかったことから、実際に制度を利用することがいかに重要であるかがうかがえます。つまり、制度の質は高いのに、利用しないことでその価値が享受できていません。

福利厚生がもたらす影響

また、福利厚生が「入社の決め手」としての役割よりも、「長く勤めたい」と思える環境づくりに重要であることも調査から分かりました。「制度があることで勤続意欲が高まる」と予想外に高い支持を受けており、このことは企業が福利厚生を通じて「大切にされている」と感じさせることが、従業員の信頼や安心感に直結しているためです。

カロリパークスの役割

カロリパークスは、スマートフォンアプリを使用した日常支援型の福利厚生サービスで、導入企業の従業員の満足度を高めるために設計されています。従来の形だけの福利厚生から、実感できる支援へとシフトしています。実際、導入後の従業員の利用率は82％を記録し、満足度98％と高い評価を得ています。

今後の展望

カロリパークスは、2026年1月末までにさらなる機能拡充を予定しており、睡眠や食事管理など、日常生活に直結した支援を強化していく方針です。それにより、制度がより多くのワーカーに届く形へ改善が図られることが期待されています。私たちが働きながら日常を豊かにするため、福利厚生のあり方には今後も注目が集まります。