九州・沖縄のシニア向け求人動向：正社員比率は全国平均を上回る

九州・沖縄のシニア向け求人動向

株式会社シニアジョブが発表した調査結果によると、九州・沖縄地域のシニア向け求人は全国平均を上回る特徴を持っています。この調査は、同社が運営するシニア向け求人サイト「シニアジョブ」を基に、九州・沖縄の8県（福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄）の求人状況を分析したものです。

正社員求人の割合が高い九州・沖縄

調査結果によると、九州・沖縄全体の正社員求人の割合は全国平均の33.5%を上回り、特に宮崎県では46.8%、鹿児島県では46%という高い数字が示されました。これに対し、東京では30.5%と低く、九州・沖縄地域のシニア層が働きやすい環境が整っていることがうかがえます。
また、パート・アルバイトの割合は、全国平均（57.7%）や東京・大阪（57.1%）に対し、宮崎（43.7%）、鹿児島（44.8%）といった県は低めの数値を示していますが、佐賀（60%）や大分（58%）では高い割合を保っています。

高齢者歓迎の求人が多い傾向

九州・沖縄の求人においては、60歳以上歓迎の求人が多い一方、「70歳以上歓迎」の求人は県によってバラツキがあります。長崎県では33%と高い数値を示していますが、他の県では少ない傾向があります。このように、地域によってシニアの雇用環境に差が見られるのも特徴です。
経験不問の求人は宮崎（79.6%）、佐賀（77.4%）と高く、鹿児島（65.8%）や沖縄（65.6%）では比較的低い傾向が見られ、シニアの就職活動において経験の有無が影響している可能性があります。

働き方の多様性と地域差

求人における働き方に関する条件についても、九州・沖縄では地域ごとに異なる傾向があります。副業が可能な求人は長崎（12.5%）、福岡（10.2%）で多いのに対し、佐賀（2.4%）、沖縄（0.5%）では少ないです。また、在宅勤務を許可する求人の割合も佐賀（2.8%）、福岡（2.3%）が高く、熊本（0.5%）や鹿児島（0.5%）で低い傾向が見られます。いずれにしても、東京・大阪と比べると依然として少ない数値です。

職種ごとの傾向

求人の職種については、介護、調理、看護、警備などの職種が全国的に多く見られ、特に九州・沖縄では建設業と運送関連の求人が目立ちます。例えば、佐賀県では、建設現場作業員が9位（3.4%）および運送ドライバー（中・長距離）が10位（3.2%）と上位にランクインしています。

このことから、九州・沖縄の地域経済が建設業に依存している点や、自動車が生活に欠かせない要素であることが、ドライバー関連のシニア求人の多さにつながっていると考えられます。