沖縄出身の注目のフィメールラッパー、えびちるが初のアルバム『ネリリ チルル ハララ』を12月22日(金)にリリースします。彼女は2005年生まれの若きアーティストで、中学・高校時代に不登校や引きこもりを経験しながらも、偶然出会ったラップが彼女を新たな世界に導きました。最初の活動は「沖縄サイファー」に参加することから始まり、さまざまなラップバトルに挑み、そのキャリアを築いてきました。
『ネリリ チルル ハララ』は、宇宙をテーマにした全11曲を収録しており、その中には先行配信曲「えーりあんぴーぽー」を含めた新曲が10曲も入っています。各楽曲は、えびちる自身が全ての作詞作曲を手がけ、自身の内面的な宇宙観と外部の宇宙観を巧みに融合させています。興味深いのは、11曲という数が現代物理学の超弦理論で提唱される11次元の空間モデルに由来している点です。このユニークなアプローチによって、聴き手はあたかも宇宙の中を漂うような体験ができます。
えびちるワールド全開!
アルバムに収録される楽曲は、彼女の生活や感情、さらには夢想に至るまで多岐にわたります。例えば、「オーマイゴッド粒子」では実在する高エネルギー宇宙線をテーマにしたブレイクコア曲があり、「ストレートスパゲッティ」では恋愛感情をブラックホールに飲み込まれた物質の変化に絡めています。この楽曲は、スパゲッティ化現象という物理現象をうまく表現している点が特徴的です。
制作への情熱
えびちるは今回のアルバムで初めてビートメイクに挑戦しました。沖縄在住のビートメイカーOMKT氏に弟子入りし、わずか2ヶ月でアルバムを完成させました。この経験は彼女にとって音楽制作の新たな楽しさを知る機会となり、ラップだけに留まらず、 多様な音楽表現へと広がるきっかけとなりました。えびちるは、アルバムの収録曲全てに自身の個性を存分に発揮し、どの曲も聴く者に新鮮なインスピレーションを与えています。
アートなアルバムジャケット
アルバムのジャケットには、彼女が楽曲制作を行ったマイルームをモチーフにした写真が使われています。このジャケットには、楽曲制作に使用した機材や、彼女の生活の中で実際に使っている小物が散りばめられており、聴く人にユニークな視覚経験を提供します。ジャケットに込められた小物を探しながら聴くことで、さらに深くアルバムの世界観を楽しむことができるでしょう。
えびちるのコメント
アルバム制作についてえびちるは、「このアルバムは宇宙をテーマにしていて、11次元の曲を作りました。制作において、OMKTさんに弟子入りし、ビートもリリックもゼロから制作しました。制作に没頭し過ぎて、現実を忘れることもあり、母から何度も部屋が汚いと怒られました(笑)それほど楽しく、創造的な過程でした」と語っています。このコメントからも、アルバムに対する彼女の情熱が伺えます。
最後に
「えびちる」は、今後も沖縄を拠点に、さらなる音楽活動を展開していく予定です。彼女の音楽は、聴く人に新たな視点や感覚を与えることでしょう。アルバム『ネリリ チルル ハララ』は、沖縄の魅力を詰め込んだ一作です。ぜひ、多くの人に聴いてもらいたい作品です。