沖縄で初のブラインドメイク体験講習会
2025年11月22日、沖縄県視覚障害者福祉センターにて、沖縄県網膜色素変性症協会(JRPS沖縄)主催のもと、日本ケアメイク協会による「ブラインドメイク体験講習会」が開催されました。視覚に障害を持つ方々やその支援者を対象にしたこの講習会では、ブラインドメイクを通じて新たな美の楽しさを体験し、心の変化も期待されました。
ブラインドメイクとは?
「ブラインドメイク」とは、視覚に障がいを持つ方が手の感覚を活かし、鏡を使わずに自分自身をメイクする方法です。この技法は、2010年に大石華法氏によって考案され、現在では約30万人の視覚障がい者が障がい者手帳を保持し、実に160万人が視力に不便を感じていると言われています。これらの方々にとって、自分を美しく見せることは生活の質を向上させる重要な要素です。
体験会の詳細
参加者は、化粧訓練士による直接指導を受けながら、ブラインドメイクだけでなくスキンケアや口紅体験などのメニューを楽しみました。参加者たちは、じっくりと自分の顔に触れ、そのプロセスを通じて自分の心身の変化を実感しました。特に、自身のメイクをすることで自信が持てるようになった方々の声が多く寄せられました。興味深いことに、このイベントには視覚に障がいのある当事者の方々だけでなく、付き添いの方も多く参加し、皆が共に体験を楽しんでいました。
沖縄初の化粧訓練士の活動
講師陣の中心には、沖縄県初の化粧訓練士である藤江佐知子さんがいます。彼女は「化粧っていいね」と言ってもらえるような活動を目指し、視覚障害者の方々が化粧を楽しむ場を広げることを使命としています。藤江さんは、化粧を通じて参加者の表情が明るくなる瞬間を目の当たりにし、その喜びを感じています。
参加者の声
イベントを終えた参加者の中からは、「自分の顔にじっくりと触れたことがよかった」、「自分で口紅をつけられるようになれてうれしい」といった感想が多くみられ、ブラインドメイクの持つ大きな可能性を実感しました。特に、楽器を始めたことをきっかけに外出時の見た目に気を配るようになった方の姿も印象的でした。
今後の展望
今後、日本ケアメイク協会はさまざまな地域や団体と連携し、セミナーやイベントを通じてブラインドメイクの普及に努めていきます。未経験の方々にもその楽しさを知ってもらい、新たなコミュニティの形成を促進することを目指しています。
結び
今回のブラインドメイク体験講習会は、沖縄県において初めての大規模な試みとして大きな成功を収めました。視覚に障がいがあっても、メイクを通じて美しさを感じられるというメッセージは、参加者の心に深く刻まれたことでしょう。未来に向けて、さらなる広がりを見せることが期待されます。
詳しい情報は、日本ケアメイク協会の公式ウェブサイトをご覧ください:
日本ケアメイク協会