沖縄を含む日本各地で注目を集めているのが、インダストリアル・プランクトン社(カナダ)が開発した微細藻類の培養装置『フォトバイオリアクター』です。この装置は、見た目がSF映画に登場するタイムマシンのようで、多くの企業で導入が進んでいます。
日本の水産業は近年、持続可能な養殖への移行が求められており、特に微細藻類は養殖の基盤として重要な役割を果たします。魚介類の幼生に対する給餌として、この微細藻類が大きな価値を持っています。また、種苗生産のコストの約40%を占めるこの藻類の生産が安定しなければ、生産性向上も難しいと言われています。
インダストリアル・プランクトン社のフォトバイオリアクターは、自動化を進めることで生産の安定化、効率化、さらには品質向上を実現しています。この装置を使うことで、従来と比較して労働力やコスト、さらには必要なスペースを大幅に削減できるのです。すでに2024年に日本市場に初めて設置され、その後多くの企業が導入を進め、北海道から沖縄まで幅広く利用されています。
特に沖縄や鹿児島、徳島などの地域では、稚貝や稚エビ、さらには稚ウニなどに対して、クリーンで栄養価の高い藻類を供給することで、作業負担を大きく軽減しています。これにより、養殖業の生産効率が向上することが期待されています。
また、毎年開催される『ジャパン・インターナショナル・シーフードショー』においても、このフォトバイオリアクターのデモンストレーションが行われます。2025年8月19日から21日までの3日間、東京ビッグサイトにてインダストリアル・プランクトン社のブースが設けられ、同社の最高科学責任者が登場。抜群の迫力でこの装置の機能を実演します。
フォトバイオリアクターPBR1250Lは、1250リットルの容量を持ち、連続して微細藻類を培養できる構造を持っています。それにより、従来のタンク式培養システムに比べて大幅なコスト削減とともに、生産効率が向上します。たとえば、1日あたり200Lから400Lの藻類を生産する能力があり、これは従来の75,000リットル分に相当します。
この装置の特徴として特に注目されるのが、洗浄システムです。このシステムにより、作業者は一つのボタンを押すだけで、1250Lの容器を洗浄、殺菌することができます。このように作業の手間を省くことで、手軽に高濃度の微細藻類を生産できるのです。
さらに、このフォトバイオリアクターは、特別に設計されたLED照明を搭載しており、従来の蛍光灯に比べて2.2倍の成長速度を促進します。これにより、藻類の培養がよりスムーズに行え、効率的な生産が実現しています。また、リアルタイムでの培養プロセスの確認やパラメーター変更も可能であり、作業員が常駐する必要がないため、より効率的な運営が期待されています。
最後に、SEAPAジャパンが日本総代理店としてこの技術を広めていくことで、日本の水産業全体の革新をもたらすことが期待されています。特に、沖縄地域での導入が増え、持続可能な養殖業を支える礎となることでしょう。
詳細については、インダストリアル・プランクトン社の公式サイトをご覧ください。