沖縄県庁が生成AIを導入、業務効率化への新たな一歩

沖縄県庁が株式会社エクサウィザーズの「exaBase 生成AI for 自治体」を導入しました。この新たな試みは、地方自治体における業務効率化の推進と、デジタルトランスフォーメーション（DX）を実現するための重要なステップです。導入に際して、職員向けの生成AIに関するワークショップ研修が2日間にわたり開催され、参加者は新技術を理解し、自らの業務に応じた使い方を学ぶ機会を得ました。

導入の背景

現代の地方自治体は、業務の効率化やサービス向上のニーズが高まっています。沖縄県庁では職員の負担を軽減しつつ、県民へのサービスを向上させるために生成AIの導入を考察してきました。特に、専用ネットワーク「LGWAN」に対応した高いセキュリティを保持するこのシステムは、沖縄の行政運営において非常に有用だと判断されました。

導入は、新たなツールを提供するだけに留まらず、その活用方法を職員が深く理解することが求められています。そこで、エクサウィザーズはワークショップを通じて、生成AIを実践的に使いこなすためのスキルを研修参加者に指導しました。

研修の目的

今回の研修は、全員が生成AIを実際の業務にどのように結びつけられるかを見極め、そのスキルを磨くことをテーマにしています。具体的には、次の2点が研修のゴールとされています。

1. 自分の業務において生成AIをどの部分で活かせるかを選定できること。
2. 質の高いアウトプットを得るための「プロンプトエンジニアリング」を独自に行えること。

研修は講義と2つのワークショップから成る90分のプログラムで、参加者同士の活発な意見交換が行われました。

研修の詳細

講義：実績に学ぶ

研修の冒頭では、生成AIの機能とその利点について講義が行われ、その他の自治体の成功事例が紹介されました。例えば、埼玉県庁や兵庫県庁では、議事録の作成時間が大幅に短縮された実例が示され、大きな可能性が感じられる内容でした。

ワークショップ1：業務の洗い出し

次に行ったのは日々の業務を見つめ直すワークショップです。参加者はタスクを分解し、どの部分をAIに任せられるかを考える作業を行いました。ここで生まれたアイデアには、報告書の一次チェックや広報案件のアイデア出しといった具体的な提案がありました。

ワークショップ2：プロンプトエンジニアリング

最後のワークショップでは、生成AIへの指示文（プロンプト）を効果的に作成するためのテクニックを実践しました。参加者からは、AIに役割を与えることによって得られる専門的な回答の改善が実感され、「自分が意図した通りにAIを操れる感覚を得られた」との声が多数寄せられました。

研修の成果

研修後のアンケート結果も素晴らしく、93%の参加者が「満足」または「大変満足」と回答。業務にこの知識を活かす自信を持っている参加者が多数を占めました。

このように、沖縄県庁での生成AI導入は、行政の業務効率やサービス向上に大きく寄与することが期待されています。これからの沖縄の行政運営における変化に、ますます目が離せなくなります。