沖縄の建築文化を深く知る一冊
沖縄の建築や暮らしに関する重要な情報を網羅した書籍『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』が、第6回沖縄書店大賞の沖縄部門で準大賞を受賞し、9刷目の重版が決まりました。この本は、沖縄の独自の文化を背景にした建物や、そこで暮らす人々の記憶や歴史を記録した貴重な一冊です。
沖縄の多文化建築
本書は「味なたてもの探訪」シリーズの第二弾として、沖縄の建築について掘り下げています。木造やコンクリートの建物、さらには伝統的な赤瓦やセメント瓦、琉球意匠にアメリカの影響が見られる現代的な建築に至るまで、さまざまなスタイルが収録されています。これにより、沖縄特有の景観と文化的背景を体感できる内容となっています。
建築を通じて語られる人々の物語
本書では、戦前の建築から戦後にアメリカ文化の影響を受けたものまで、沖縄の歴史を感じることのできる10軒の建物が詳しく紹介されています。現存する数少ない戦前の建物もあるため、歴史の流れや地元の文化を理解するための優れた資料として利用できます。著者の岡本尚文氏の監修のもと、美しい写真と共に、建物の背景にある人々の物語や文化が語られています。
家や商業施設の独自性
『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』では、沖縄独特の建築意匠やアイデアが盛り込まれています。地域の商店など、沖縄の生活風景も魅力的に描かれており、沖縄の文化をさらに深く理解できる要素が満載です。また、沖縄本島の4エリアに分けられたマップには、見るべき建築が専門的な解説とともに掲載されているため、観光や建築に興味のある方にもおすすめです。
詳細な書誌情報
本書は2019年12月に正式に発売され、192ページの内容で、価格は2,200円(税別)です。A5サイズのソフトカバーでISBNは978-4-908406-40-9となっており、今後2025年8月に価格改定される予定です。盛りだくさんの情報が詰まったこの一冊は、普段のガイドブックでは物足りないという方にもぜひ手に取っていただきたいものです。
さらに広がる味なたてもの探訪シリーズ
『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』の他にも、《味なたてもの探訪》シリーズから、さまざまなテーマに着目した本が出版されています。たとえば「看板建築」「昭和の商店」「復興建築」「近代別荘建築」といったシリーズも、多彩な建物を通じた沖縄の文化の魅力を探求する貴重な資料です。新たな作品も続々と登場しており、建築ファンにとっては見逃せないシリーズとなっています。これを機に、沖縄の建築について深く興味を持っていただければ幸いです。