障がい者が海の環境保全を担う「里海珊瑚プロジェクト」の始動

幅広い協力で実現するサンゴの保全活動

沖縄の美しい海が抱える環境問題、その中でも特に深刻なサンゴの白化現象に対抗するため、障がい者雇用を通じた革新的なプロジェクトが普及し始めています。その名も「里海珊瑚プロジェクト」です。沖縄発のスタートアップであるサンクスラボ株式会社が、テクノロジーの力を用いて環境保全に取り組むこのプロジェクトは、2025年4月22日（アースデー）に正式に活動を開始しました。

デジタル社会での障がい者の活躍

里海珊瑚プロジェクトは、障がい者雇用を通じて経済的自立を目指し、その一環としてサンゴの陸上養殖を実現しようという試みです。このプロジェクトには、デジタル技術に関する豊富な知識を持つアクセンチュア株式会社が協力しています。最新のデジタルツールを用いて水槽の状態をモニタリングし、最適な環境でサンゴを育てるための業務を行います。

環境保全と障がい者の社会参加

サンクスラボは、沖縄県那覇市に本社を構え、2015年に設立以来、障がい者の活躍を支援するソーシャルビジネスを展開してきました。ここに、障がい者がサンゴ飼育の業務に従事することで、環境保全への貢献を目指す「里海珊瑚プロジェクト」が誕生しました。既に14社の企業がこのプロジェクトに賛同し、34名の障がい者雇用が実現しています。

陸上養殖と海中観察ツアー

プロジェクトの本格始動にあたって、参加企業を対象とした「陸上サンゴ養殖＆海中観察ツアー」が計画されました。一日目には、障がい者がサンゴを育てる様子を視察し、実際に苗づくりも体験。二日目には、シュノーケリングやダイビングを通じて、沖縄の海に植え付けられたサンゴの観察を行いました。サンゴが白化する現場を目の当たりにすることで、参加者は海洋保全の必要性を再認識しました。

未来に向けた展望

「里海珊瑚プロジェクト」は、環境保全と障がい者雇用の両立を目指しており、今後はさらなる企業参加を促進し、一般の人々にもプロジェクトの重要性を広めていきたいと考えています。参加企業からは、障がい者雇用による社会的課題の解決と生物多様性の保全に貢献できる点への評価が寄せられています。

「里海珊瑚プロジェクト」は、環境問題に対する社会の意識を高めるだけでなく、障がい者が社会で活躍するための新たな道を切り開く取り組みとして注目されています。今後の進展が楽しみです。