沖縄の製糖業を革新するヤンマーの新たな試み
沖縄県石垣市、広大なサトウキビ畑が広がる風景の中で、農業の未来を切り開く革新的な試みが進行中です。ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリ株式会社は、サトウキビの機械収穫や原料搬入の業務を効率化するための「機械稼働管理システム」を開発し、実証実験を行っています。このプロジェクトは、沖縄の地元企業である石垣島製糖株式会社、久米島製糖株式会社、そして沖縄製糖株式会社との共同によって進められています。
背景と課題
今日の製糖業界では、収穫機の効果的な稼働と原料の品質維持が求められています。しかし、サトウキビ畑の広がりと多様性により、多くの収穫機が同時に稼働する状況では、機械の作業場所や稼働状況を把握するのが難しいという課題があります。また、現地での状況確認や収穫調整の効率化も急務となっています。
新システムの導入
ヤンマーアグリは、位置情報やセンサー情報を自動で収集する「SMART ASSIST」技術を活用し、これらの課題を解決するための機械稼働支援システムを開発しました。デジタル技術を取り入れることで、従来の手作業では困難であった収穫機の稼働状況や作業場所をリアルタイムで可視化し、情報を共有できる環境を整えました。
実証実験の成果
2018年から2026年にかけて行われるこの実証実験では、GNSS端末を用いて全ての収穫機の位置情報と稼働情報をリアルタイムで可視化。これにより、収穫業務の効率化が図られ、具体的な効果としては、次のことが確認されました。
1.
機械運用の効率化
- 各収穫機のほ場間の移動を最適化し、シーズンで約840kmの移動距離を削減(従来比35%削減)。
- 機械オペレーターへの問い合わせが減少し、作業中断時間が大幅に減少。
- 機械の稼働実績を分析し、担当機械の配置を再考する余地が生まれました。
2.
収穫全体の業務効率化
- 各機械の作業進捗や搬入見込み量の把握がスムーズに。
- 最新のほ場情報が集約管理されることで、農務担当者間での計画検討が効率化。
- 新しい担当者が早期に業務に慣れることが可能となりました。
- 機械の稼働情報を関連組織で共有し、原料調達の業務全体が効率化されました。
今後の展望
ヤンマーアグリは、この実証結果を基に共同実証の範囲を広げ、さらなるシステムの改善に努める予定です。具体的には、サービス品質を向上させる体制を整え、2027年までにはこのシステムを活用したソリューションの提供を開始することを目指しています。沖縄の製糖業界において、効率化の取り組みは地域経済にも寄与することでしょう。
ヤンマーアグリについて
ヤンマーは1912年に大阪で設立され、1933年には世界初の小型ディーゼルエンジンを実用化した企業です。農業や建設、マリン、エネルギーシステムなど幅広い分野でグローバルに展開しており、そのビジョンには人と未来の可能性を信じる「HANASAKA」の精神が息づいています。