沖縄美ら海水族館でナンヨウツバメウオが繁殖成功
沖縄美ら海水族館では、ついに日本初となるナンヨウツバメウオの繁殖に成功しました。これに伴い、「サンゴ礁への旅 個水槽」にて稚魚が初めて展示されています。ナンヨウツバメウオは、学名を
Platax orbicularisといい、英語では「Orbicular batfish」と呼ばれています。この魚は成魚で全長約50㎝に達し、沖縄を含む南日本の岩手県から広く分布しています。
ナンヨウツバメウオの魅力
稚魚のユニークな特徴は、全身が茶褐色で、形状が枯れ葉のようになっていることです。この姿は、自然界における擬態行動の一例で、天敵から身を守る効果があります。稚魚は水面付近を漂いながら泳ぎ、成長するにつれて群れを作り、サンゴ礁域での生活に適応していきます。
今回の繁殖に関する観察は興味深いもので、親魚は2013年から2016年にかけて沖縄島北部から搬入された3匹の個体です。2025年9月中旬には、雄2匹が雌1匹を追尾する行動が確認され、その後受精が行われました。なんと卵は、孵化槽に移したところ、翌夜には孵化したのです。これにより、ナンヨウツバメウオの稚魚が形態と遊泳方法を短期間で大きく変化させることが確認されました。
繁殖の過程
孵化後、仔魚は約2週間の間、水底近くで遊泳していましたが、たった2日間で枯れ葉のような稚魚の姿に変わりました。この移行は、生活の場が水面へと移動する過程にも影響を与えています。この研究により、ナンヨウツバメウオの稚魚に関する理解が深まることが期待されています。
美ら海水族館では、このような観察を通じて生物の繁殖についての理解を深め、保護活動にも寄与しています。繁殖や保護の研究は、生物の多様性の保全にとって重要な役割を果たしています。単なる展示ではなく、未来の世代に知識を伝える役割もお願いされています。
沖縄美ら海水族館とは
「沖縄美ら海水族館」は、沖縄本島北部の国営沖縄記念公園内に位置し、持続可能な観光や地域振興を推進する重要な施設です。そのコンセプトは沖縄の生物多様性に基づき、南西諸島や黒潮に息づく豊かな生態系を再現しています。この施設では、訪れる人々に沖縄の海を楽しんでもらうだけでなく、機会を通じた教育も重要な役割として掲げられており、環境保護意識の向上にも寄与しています。
海洋博公園での体験
また、沖縄美ら海水族館が所在する海洋博公園は、「太陽と花と海」をテーマにした様々な施設が揃っています。ここでは、亜熱帯植物が楽しめる熱帯ドリームセンターや、沖縄の海洋文化を発信する海洋文化館など、多彩な体験が用意されています。沖縄の自然や文化に触れてみるには最適なビスポークデスティネーションです。
沖縄の生物に親しみ、大自然の不思議に触れる機会、ぜひ一度足を運んでみてください。特にナンヨウツバメウオの稚魚の展示は、新たな発見が待っていることでしょう。