沖縄南城市で免許不要の近距離モビリティ導入
沖縄県南城市観光協会は、沖縄トヨタ自動車とWHILL社と協力し、2025年7月25日より免許不要の近距離モビリティ「WHILL」を活用した新たな移動サービスを開始します。この取り組みは、地域の観光地へのアクセシビリティを向上させることを目的としており、自然豊かな道や地形の中でも誰もが観光ポイントへアクセスしやすくなることを目指しています。
モビリティ導入の背景
南城市には、歴史的な文化財や美しい自然が点在していますが、緩やかな上り坂や凸凹道があるため、特に体力に自信のない方々の訪問が難しい現状がありました。例えば、がんじゅう駅・南城から「斎場御嶽」の入り口まで約500mの上り坂があるため、多くの人々が参拝をあきらめてしまう事例が見受けられました。また、絶景が楽しめる「知念岬公園」までの道のりも、徒歩ではやや厳しいとの声があったのです。
そのため、南城市観光協会は、誰もが快適に移動できる環境を整えるために、「WHILL」を導入することを決定しました。これは、ただの移動手段を提供するだけでなく、地域の魅力を感じてもらい、滞在時間を延ばしてもらうための工夫でもあります。
WHILLの特徴と注目ポイント
導入される「WHILL」には、プレミアムなチェア型の「WHILL Model C2」と、ハンドル付きのスクーター型「WHILL Model S」があります。この2つのモデルは、どちらも移動時に快適さを提供し、悪路でも安定した走行が可能です。これにより、一緒に訪れた人たちと同じスピードで散策を楽しめ、道のりの負担を軽減します。
さらに、利用者がスマートフォンの専用アプリ「WHILL Rental」を通じて非対面での貸出が可能になるため、手間がかからず気軽に利用できるようになります。アプリを通じて、いつでもどこでも自分の好きな時にモビリティを借りることができる点は、多くの観光客にとって大きな利点です。
サービスの詳細
運用開始日
貸出モデル
- - プレミアムチェア型「WHILL Model C2」
- - スクーター型「WHILL Model S」
料金
貸出場所
利用範囲と条件
がんじゅう駅・南城から2〜3km圏内で自由に移動できます。ただし、文化財と自然保護の観点から「斎場御嶽」への乗り入れは不可。利用の際は、体重115kg以下(Model Sは100kg以下)であることなどの条件も設けられています。
今後の展望
南城市観光協会は、GPS連動の音声ガイド導入も検討しています。少子高齢化の中で現地ガイドの数が減少する一方、このシステムにより、訪れる観光客の満足度を向上させる狙いがあります。
このように、南城市では、地域の文化や歴史、自然の魅力を大切にしながら、誰もが楽しめる観光地を目指して整備を進めています。「WHILL」の導入は、その一歩と言えるでしょう。観光協会は、今後もアクセシビリティを重視し、すべての人々を歓迎するための取り組みを続けていく姿勢を示しています。