セブン-イレブンが未来の体験価値を追求
合同会社CGOドットコムが、株式会社セブン-イレブン・ジャパンおよび日本電気株式会社と共同で、新たなコンビニエンスストアの体験価値を創出するプロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、「商品を買う」だけでなく、「体験を楽しむ」ことへと顧客価値を転換し、2025年度には実証実験を行う予定としています。
プロジェクトの背景
現代の小売業界は少子高齢化や多様な消費行動に直面しており、ただ物を販売するだけでは顧客を惹きつけられない時代に突入しています。特にコンビニエンスストアは、その利便性に加え、共感を伴う新たな購買体験の提供が求められています。セブン-イレブン・ジャパンも、顧客の平均年齢が上昇する中で、特に若年層(Z世代やアルファ世代)の利用が減少している現状を打破するため、感情に訴えかける購買促進施策へと転換が必要です。
若者たちのイメージ調査では、「ひとりで行く場所」「定番のものを買う」「滞在時間は最小限」といった意見が見られました。これにより、商品中心の施策では若年層を惹きつけられないことが明らかになり、目的のある来店が求められました。特に複数人での来店を促進する施策が必要とされていたのです。
提案内容
CGOドットコムでは、ギャル式ブレスト®︎を通じて、ユーザーヒアリングやデスクトップリサーチを実施し、若年層にアピールする体験設計を提案しました。この手法は、自由なアイデア出しを促すもので、特に複数人での来店を意識した施策に焦点を当てました。
グループでのアイデアブレストでは、200以上のアイデアが生まれました。たとえば、「2人でハートを作らないと買えない商品」や、「レジでサプライズメッセージを表示できる」といった若者の心に響く提案がありました。
体験価値の抽出
このプロジェクトを通じて明らかになったのは、単なる購入行動を越え、共有体験やサプライズ要素の重要性、さらには自己表現の場としての可能性があるということです。店舗自体が価値を生むという発見にも至り、心理的な価値の向上が重視されています。
成果と今後の展開
ギャル式ブレスト終了後のアンケートでは、参加者の満足度が高く、今後のアイデア発想にも活かせるとの声が多数寄せられました。プロジェクト担当者は、「自由な発想を促すことで、これまで考えられなかったアイデアが多く生まれた」と感謝の意を伝えています。
さらに、2025年度中には実店舗での実証実験を行い、得られた知見を基にインバウンド対応や地域特性を生かした店舗づくりも視野に入れています。セブン-イレブン・ジャパン、NEC、CGOドットコムの三者が協力し、未来のコンビニエンスストアを形作るこのプロジェクトに注目が集まります。