沖縄の外来害虫、ソテツシロカイガラムシの脅威
近年、沖縄の自然環境に関して耳にすることが多いのが、外来害虫の問題です。特に注目すべきは、ソテツシロカイガラムシという新たに沖縄に侵入した害虫です。一般財団法人沖縄美ら島財団の総合研究所が関与し、鹿児島大学、琉球大学、沖縄科学技術大学院大学 (OIST)、九州共立大学、宮崎大学などと連携して、この害虫についての調査・研究を行いました。その成果が、国際学術誌「BioInvasions Records」に発表されたことが話題となっています。
ソテツの被害実態
ソテツシロカイガラムシは、ソテツの葉から養分を吸収することにより、葉の色が褐変し、さらに重篤な場合には株全体が枯れてしまう危険な生物です。特に2023年には国頭村で被害が確認されましたが、その後の状況については不明のままでした。この研究によると、沖縄島内におけるソテツ被害は深刻であり、2023年2月から2025年2月の間に実施された調査で、沖縄島の536株から被害が確認されました。
調査地域には、沖縄市や国頭村があり、特にこれらの地域では、1箇所あたり100株以上のソテツが被害を受けたと報告されています。この結果は、被害の深刻さを物語っています。
外来害虫の流通と拡大の要因
景観を美しく保つためにも利用されるソテツですが、その苗木が外来害虫の拡大要因になっている可能性があることが明らかになりました。沖縄島内の31か所の植木市やホームセンターで行った調査の結果、2か所で本種の付着が確認されました。これにより、ソテツ苗木の流通が被害拡大に寄与している可能性が指摘されています。
調査ではさらに、クロマダラソテツシジミという別の害虫がソテツによる被害を引き起こす要因になっているかを調べました。その結果、クロマダラソテツシジミは所定の個体からの伝播は認められず、被害の主因ではないことが示唆されました。
防除対策の重要性
ソテツシロカイガラムシが沖縄島で広域に見られるため、根絶は非常に困難です。今後は、沖縄島内の被害地域からの拡大をしっかりと抑制し、沖縄島以外の地域やさらには県外への拡大を防ぐことが重要です。そのためには、苗木の購入時や移動時の付着の確認が必須であり、被害を早期に発見し、迅速に対応できる体制を整えることが求められています。
まとめ
美ら島沖縄を守るために、今後も外来害虫の研究とその防除対策がますます重要になります。この調査は令和5年度花博自然環境助成、および令和6年度から令和8年度にかけて進められる農林水産研究プロジェクトからの助成を受けて実施されました。沖縄美ら島財団は、地域の持続可能性向上に貢献するため、引き続き研究活動や防除対策の推進を行なっていきます。