沖縄からの新しい提案:アグリコールラム「ONERUM Agricole」
沖縄の地で新たな特産品が誕生しました。それが、瑞穂酒造とOneSpiritが協力して開発した「ONERUM Agricole」というアグリコールラムです。こちらは、さとうきびの栽培研究から始まったプロジェクトで、2022年の収穫と2023年の収穫を同時にリリースします。地元の素材を活かした新しいブランドが、どのように生まれたのか、詳しくご紹介します。
プロジェクトの背景
このアグリコールラムは、2020年に瑞穂酒造が「ONERUM」というプロジェクトチームを結成し、さとうきびを主成分としたラム作りに挑戦していることから始まりました。農家や大学、研究機関などが一丸となり、さとうきびの様々な品種や製造方法、さらにはラムの新しい楽しみ方までを模索しています。
2021年1月からは、那覇にある「ONERUMファーム」で実際にさとうきびの栽培がスタート。手植えから始まる作業は、ラム作りへの本気度を感じさせます。それぞれの品種の育成状況や特徴を比較しながら、最も魅力的なラムを生産できる方法を探求しています。
独自の製法と風味の特徴
「ONERUM Agricole」は、自社農園で栽培されたさとうきびを手狩りで収穫し、オンリーワンの発酵酵母「ONERUM Yeast」を用いて発酵、蒸留を行っています。この過程で、沖縄の大地や気候が生み出す香りをそのままボトルに閉じ込めています。
特に2022年収穫の「ONERUM Agricole 2022 Harvest」は、さとうきびジュースのフレッシュな香りが広がる一品。やさしい口当たりと甘さが心地よく、飲みごたえも感じられます。一方、2023年の品は、トロピカルなグアバやマンゴーの風味を持ち、複雑な香味を楽しむことができるため、どちらもそれぞれの収穫年に応じた個性を持っています。
伝統を重んじるデザイン
ボトルのラベルには、琉球王朝時代の首里王府で重要な役割を果たした沖縄の伝統紙「芭蕉紙」を使用。このデザインは、沖縄の素材と代々受け継がれてきた技術へのリスペクトを表現しています。さらに、プロジェクトのクリエイティブディレクターである村上氏が手掛けたこのラベルは、希少なラムを引き立てるための美しい仕上がりとなっています。
「畑からグラスへ」のコンセプト
このラムは、「畑からグラスへ」という理念を持っています。このプロジェクトを支える多くの仲間の思いが詰まっており、さとうきびの育成から収穫、製品化までの過程を経て生まれました。サステナブルな方法で育てられたさとうきびから生まれるラムは、毎年異なる風味を持ち、その年ごとの特別さを感じさせます。
今後の展開と期待
ONERUMは、今後も異なる収穫年の商品をリリースする予定であり、ワインのようにテロワールを楽しむことができるラムの開発を目指しています。この取り組みは、世界に通用するラムを生み出すことで、沖縄をラムの聖地へと発展させる希望が込められたものです。
沖縄の新たな味わいをぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。「ONERUM Agricole」は、その魅力を存分に堪能させてくれることでしょう。