沖縄・多良間村で新たな交通システムが始動
沖縄県の宮古群・多良間村において、未来を見据えた自動運転システム「YADOCAR-iドライブ」が運行を開始しました。このシステムは、東海クラリオン株式会社が提供しています。2025年8月6日には村役場前で出発式が行われ、無人運転によるデモ走行が披露されました。
「YADOCAR-iドライブ」とは?
「YADOCAR-iドライブ」は、4人乗りの電動カートに搭載された後のせ自動運転システムです。この取り組みは、沖縄県が推進する「自動運転交通サービス社会実装推進プロジェクト」の一環として行われ、多良間村が主体となって実施されています。目的は、離島における持続可能な公共交通モデルを確立することです。
村民はこのカートを2026年2月6日まで無料で利用することができ、今後の交通の在り方を模索する貴重な機会となっています。出発式には多良間村長の伊良皆光夫さんを始め、多くの関係者が集まりました。実際にデモとして無人運転のカートが村役場前に自動的に停車する様子は、多くの参加者の関心を集めました。
初の試み、地域参加による意見交換
出発式の後には、地元の住民と行政や事業者との意見交換会も開かれました。この場では、カートの運行ルートや利便性について村民と一緒に考え、今後のサービス向上に繋げるための意見が交わされました。
また、試乗会では村民を対象に自動運転カートの乗車体験が行われ、安全性や操作感についてのフィードバックも受け取りました。特に、子ども向けの体験会では自作のコースをカートに転送して走行する企画が大盛況で、参加した子どもたちからは「楽しい」との声が上がり、ロボット技術やプログラミングへの関心を高める機会となりました。
今後の展望と取り組み
この実証プロジェクトを通じて、住民参加型の意見交換や試乗体験を続けていくことで、利用者目線のサービス改善を図る方針です。将来的には、EVバスとの連携や無人運転による省人化、さらに他の離島や中山間地域への展開も目指しています。
地域の期待と未来への展望
東海クラリオン株式会社の代表取締役 安部源太郎氏は、このプロジェクトが成功したことに感謝の意を表し、「島の暮らしを支えるだけでなく、子どもたちに先端技術への興味を持ってもらえた」と述べ、今後の課題や展望も語りました。地域とともに歩む自動運転サービスの進展が、沖縄の未来にもたらされることを期待します。
このように、多良間村での自動運転システムは地域の交通の多様性を広げる重要な一歩であり、住民との共同作業で形作る未来の交通システムは、他の地域にも大きな示唆を与えるでしょう。今後のさらなる発展に注目が集まります。