沖縄の「平和の礎」特集で歴史を学び、不戦の誓いを新たに
沖縄タイムスが2025年6月10日から22日の期間にかけて、戦後80年を記念して、糸満市にある「平和の礎」に刻銘された戦没者全24万2567人の名前を掲載する特別企画を実施します。これは、沖縄戦やその他の関連戦争で命を失った方々への追悼の意を表し、平和の大切さを再確認するものです。
「平和の礎」は、1995年の設立以来、多くの人々に慰霊の場として親しまれてきました。特集では、毎日4ページずつ、計52ページにわたって掲載され、これを通じて読者は、命の重さと不戦の決意を再び思い起こすことでしょう。
特集は単なる名前の列挙に留まらず、取り上げる方式も工夫されています。毎日の紙面を抜き取って保存することで、やがて一冊の名簿が完成します。そして、全ページを組み合わせることで2つの異なる風景が浮かび上がる仕掛けになっています。このため、読者は物理的に手に取り、実際に触れることによって、粛々とした気持ちで歴史に向き合うことができます。
この企画には、戦艦大和の乗員342人が新たに刻銘される予定で、彼らの名前も同時に掲載されます。これにより、戦の悲惨さとその影響を受けた人々の存在を改めて認識することができます。
さらに、沖縄県提供の名簿を基に、実際に亡くなった方々の出身地や、沖縄戦に関連して亡くなった県外や国外出身の方々の名前が含まれています。このように、歴史を凝縮した形で多くの人々の証しが伝えられることは、沖縄に住む私たちすべてにとっての重要なメッセージとなります。
沖縄における戦争の歴史を知ることは、ただ単に過去を振り返るだけではなく、現在や未来にも深く関わるものです。「平和の礎」の理念は、戦没者の追悼や戦争の教訓の継承といった側面に加えて、安らぎや学びの場としての役割も持っています。沖縄タイムスは、「死の瞬間を知る人さえなく、遺骨になっても帰れなかった幾多の生きた証し」を呼びかけることを通じて、新たな戦争遺族を作らないという誓いを、地域の人たちと共有することを目指しています。
特集の掲載を通じて、私たちはまた一歩、平和に向かって進むことができるのかもしれません。家族や友人とともに、または学校や職場で共有しながら、この企画を通じて歴史を学び、不戦の決意と未来への希望を一緒に育んでいきましょう。
本企画の展示は那覇市久茂地のタイムスビル(1階)でも行われていますので、ぜひ訪れてみてください。この機会に、沖縄の戦争の歴史や人々の思いを実際に体感し、心からの平和への願いを共有しましょう。