研究の背景
2024年4月に発表された「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」によると、オーラルフレイルとは、食べることや話すことに関連したお口の機能が微妙に衰えていく状態を指します。これにより、歯の喪失や咀嚼機能の低下といったリスクが高まるため、しっかりとした予防策が求められています。
研究の意義
オーラルフレイルの予防には、専門的な知識だけでなく一般の人々にも実践しやすいお口のケア習慣が重要です。サンスターは東京大学と連携し、この領域での具体的な行動指導を明らかにするための研究を行いました。
研究の方法
対象者は千葉県柏市に住む65歳以上の健康な高齢者で、合計1,439名のデータを解析しました。調査項目には、オーラルフレイルの有無を測る「OF-5」というチェックリストと、口腔ケア習慣に関する質問が含まれています。
具体的な行動習慣
研究の結果、以下の3つの習慣がオーラルフレイルのリスクと強く関連していることが判明しました。
1.
1日2回以上の歯みがき
2.
週1回以上の歯間ブラシ使用
3.
年1回以上の歯科受診
これらの行動を行っている高齢者は、オーラルフレイルに該当する割合が低くなることが確認されました。
研究結果の詳細
特に、すべての習慣を実践している高齢者には、オーラルフレイルの該当率が最も低かったことが重要です。逆に、これらの習慣を一つでも欠かすと、該当率が上昇するという結果が出ました。
結論
この研究が示すように、日常的に取り組める口腔ケア習慣は、オーラルフレイルの軽減に大いに寄与します。高齢者自身が自主的に行えるため、健康維持の意識を高めることも期待されます。
研究の今後の展望
サンスターは、オーラルフレイルの認知を広める啓発活動を続けていく方針です。お口の健康に関する理解を深めることが、高齢者の健康寿命を延ばす手助けになると信じています。
専門家のコメント
東京大学の飯島勝矢教授は、「早期にオーラルフレイルに気づき、対策を講じることで、機能低下を抑えることができる。また、高齢者が自身のケアを積極的に行える状況の整備が必要だ」との見解を示しています。
一方、サンスターの歯科衛生士、溝口奈菜氏も、定期的な歯科受診や歯間清掃の習慣化が重要であると強調しています。歯間ブラシを使用することで、より効果的に歯垢を取り除き、歯周病の予防に繋がるという考え方です。
最後に
人生100年時代、サンスターはお口の健康が全体的な健康に繋がることを目指しています。日常的なケア習慣を取り入れることで、健康的で豊かな人生を送るお手伝いをしていきたいと考えています。この研究結果を機に、より多くの高齢者が口腔ケアに取り組むことを期待しています。