喜如嘉の芭蕉布展が国立工芸館で開催
国立工芸館(石川県金沢市)では、重要無形文化財の指定から50周年を迎えた「喜如嘉の芭蕉布展」が、2025年7月11日(金)から8月24日(日)まで開催されます。この展覧会では、戦後に復興を目指した芭蕉布の魅力を、故・平良敏子さんの作品を通じて紹介します。
展覧会の概要と意義
本展は、喜如嘉の芭蕉布が重要無形文化財として認定されてからの50年を記念しており、国宝を含む73点の芭蕉布が展示される予定です。戦後に消えかけた技術の復興を遂げた平良敏子の貢献を見つめ直し、その魅力を再発見する機会となります。展示は常時57点が並び、会期中にはいくつかの作品が入れ替えられます。
展示内容
第1章: 芭蕉布の歴史と美
第1章では、琉球王国時代の華やかな芭蕉布に焦点を当て、上流階級向けに作られた色鮮やかな布や、平良敏子が復元に尽力した伝統の絣柄を紹介します。特に、平良が立ち上げた芭蕉布織物工房の作品が多く展示され、王族が身にまとう豊かな色彩を髣髴とさせる作品が来場者を魅了します。
第2章: 平良敏子の功績
岡山県で染織を学んだ平良敏子が、故郷の喜如嘉に帰り、芭蕉布の復興にかけた情熱と努力を描く章です。糸芭蕉の畑を復活させるために3年を費やし、手間暇かけて作られる芭蕉布は、今や多くの人々に受け入れられています。平良の独自性ある絣模様や色彩感覚は、この展示で特に注目されます。
第3章: 次世代への思い
最後の章では、喜如嘉の芭蕉布がどのように未来に向けて発展しているのかを探ります。保存会や工房の活動を通じて、若い技術者たちがどのように伝統を受け継ぎ、さらに新しいスタイルの創出に挑戦しているのかが紹介され、時代を反映した芭蕉布の未来が描かれます。
訪れるべき理由
この特別展は、ただのアートを超え、歴史や文化を感じることのできる貴重な機会です。運営側からは、観覧料も適正に設定されており、特に着物での来場者には割引が用意されているとのこと。さらに、夜間開館日には特別料金でも楽しめますので、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
展覧会の詳細
- - 会期: 2025年7月11日(金)~8月24日(日)
- - 会場: 国立工芸館(石川県金沢市出羽町3-2)
- - 開館時間: 9:30~17:30(特定の金・土曜日は20:00まで)
- - 休館日: 月曜日(ただし7月21日、8月11日は開館)
- - 観覧料: 一般900円(800円)、大学生600円(500円)、高校生400円(300円)など
大切な文化遺産である喜如嘉の芭蕉布。その深い歴史と魅力を体感するために、この機会をお見逃しなく!