沖縄県立総合教育センターでの研修レポート
2025年7月28日に沖縄県立総合教育センターで、発達専門の小児科医である西村佑美氏が講師を務めた専門家向け研修講座が開催されました。この研修は、「発達障害がある子のある幼児児童の理解と支援講座」と題し、主に幼稚園から高校までの教育現場に働く教員を対象とした内容となっています。
研修には、幼稚園教諭、高校教諭、養護教諭などの専門家が180名参加し、オンラインでの視聴も行われました。多くの教職員が抱える悩み、特に「落ち着きがない」「癇癪が多い」「問題行動を起こす」生徒への接し方について、西村氏は具体的なアプローチを学ぶ機会を提供しました。
参加者の悩みとニーズ
多くの教員からは、発達特性のある生徒に対する支援の難しさが伝えられています。具体的には、問題行動への対処や、やる気を引き出すためのコミュニケーション方法についての知識を求める声が多いです。西村氏は、これらの課題に対し、「無視・待つ・褒める」の3つの基本的な姿勢を強調しました。これらは、まず問題となる行動に対して無反応になり、その後に望ましい行動に対してフィードバックを与えることで、より良い成長を促す方法です。
効果的な支援の方法
具体的な例を交えながら、西村氏は肯定的な行動に注目することの重要性を説明しました。例えば、子どもが良い行動をした際にはすぐに褒めることで、自己肯定感を向上させることができます。この肯定的なフィードバックが、子どもの行動改善に大きく寄与するというのです。
また、直ちに問題行動に反応するのではなく、冷静に待つことや、特定の行動に対して反応を無視することが、逆に教育において重要なアプローチであると述べました。これは、注意を引くための行動が強化されるのを避けるためです。
受講者の声
研修終了後、多くの受講者から具体的な感想が寄せられました。「無視・待つ・褒める」の実践について学び、特に無視の重要性について深く理解した教員もいました。また、褒め方のポイントについても新たな気づきがあったという意見が多く聞かれました。「その場で褒めることで、子どもにもっと関心を持って接することができる」との声もありました。
今後の展望
今回の研修は高く評価され、来年度も沖縄での研修が決定しています。日本小児発達子育て支援協会は、発達特性を理解することの重要性を広く伝えるための活動を今後も続けていくつもりです。教育現場での悩みを減らし、より良い支援が果たせるよう、医師や専門家との連携を進めていきたいと考えています。
発達特性のある子どもを支援することは、教育者にとって重要な課題です。是非、皆さんも具体的な支援方法を学び、日々の教育現場に生かしてみてください。また、講演などのリクエストがあれば、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。