11月19日、沖縄県南城市に位置する"おきなわワールド"の城下町エリアで、驚くべき自然現象、ミツバチの「蜂球」が確認されました。この現象は、女王バチを中心に多数の働きバチが密集して形成されるもので、特に古い女王バチが新たな巣を求めて分蜂を行う際に見られるものです。日本国内では主に春から初夏にかけて目撃されるこの現象ですが、沖縄では冬から早春にかけて頻繁に観察できます。特に天候が温暖な日は、その出現率が高まります。
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![蜂球の観察][1]
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数量の多いミツバチがひと塊となっている様子は、自然の中で見られる不思議な瞬間です。当日は、安全のために設置された柵の外から、多くの観光客が興味津々で見守っていました。「自分の地域でも見たことがある」といった声や、「私は養蜂家です」といったコメントも飛び交い、分蜂の瞬間は思いもよらぬ国際交流のシーンともなりました。残念ながら、ミツバチたちは数時間後には移動してしまい、蜂球の姿は次第に見えなくなりました。
おきなわワールドの工芸部長、伊敷美千代さんによれば、分蜂中のミツバチは蜜を蓄えているため比較的おとなしいとされていますが、それでも攻撃しないとは限らないとのことです。彼女は、「見かけた際は手を出さず、静かに観察していただければと思います」と注意を促しています。
この現象が見られた「城下町」は、100年以上の歴史を誇る国の登録有形文化財に指定されたエリアです。そこには、古民家やフール(トイレ跡)、昔の神事が行われたとされる神アシャギなど、琉球王国の歴史を感じられるスポットが点在しています。色とりどりの赤瓦の古民家という独特の風景が広がっており、そして、その屋根の上には沖縄の象徴ともいえるシーサーが鎮座しています。古民家の中では沖縄の工芸体験もできるため、観光客は一層の文化体験を楽しむことができます。
冬の沖縄は、このような自然現象と文化を同時に楽しむことができる特別なシーズン。次回の訪沖の際には、ぜひおきなわワールドでミツバチの蜂球を観察しに訪れてみてはいかがでしょうか?
[1]: https://example.com/bee_ball