沖縄美ら海水族館に新たな仲間、クガニウミタケハゼ
沖縄美ら海水族館の一角に、新たに注目が集まる珍魚が仲間入りしました。その名も「クガニウミタケハゼ」。本館のROV(無人潜水艇)を用いた調査で、日本初記録種として確認され、すでに学術誌にも報告が行われています。
クガニウミタケハゼとは?
学名
Pleurosicya annandalei を持つこの小型ハゼは、全長わずか2~3cm。ホヤの仲間と共生することで知られています。体色は黄色で、沖縄の方言で「黄金」を意味する「クガニ」にちなんで名付けられました。
展示情報
この貴重な生物は、沖縄美ら海水族館の「深海の小さな生き物」コーナーにて、合計4個体が展示されています。ただし、展示は生物の状態によって変わるため、事前に確認して訪れることをお勧めします。
生態の謎とその重要性
クガニウミタケハゼは、インド洋から西太平洋の熱帯域に広く分布していますが、比較的深海に生息しているため、その生態はまだ解明されていない部分が多いです。沖縄本島周辺の水深約100mでの調査を通じて、2019年から2024年にわたって数多くの小型ハゼが採集されてきました。
その中で、国内では未記録の種であることが判明したのです。この調査の成果として、世界初めて生きた状態での採集に成功し、生体の色彩やホヤ類との共生の様子が明らかにされました。
研究者の尽力
本研究は、沖縄美ら島財団の職員によって実施され、具体的には
Nozomi Hanahara らの研究チームが携わっています。彼らは、自然環境における海洋生物の生態を探る重要な役割を果たしており、今回の新記録もその一環として位置付けられています。
論文は「Species Diversity」誌に発表されており、興味のある方はぜひ確認してみてください。
【論文リンク】
こちらから
未来への期待
沖縄美ら海水族館では、今後もクガニウミタケハゼをはじめとする多様な海洋生物の飼育や研究を通じて、その生態の解明に努めていく方針です。美しい海に生きるこれらの生物が私たちに与える恵みや神秘について、もっと知ることができる日が楽しみです。
お問い合わせ
取材や写真の貸出しに関するお問い合わせは、沖縄美ら海水族館の水族館業務課までご連絡ください。
TEL: 0980-48-3748
FAX: 0980-48-4444