糸満市の移動図書館「くろしお号」が南アフリカへ旅立つ
沖縄県糸満市で市民に親しまれていた移動図書館車「2代目くろしお号」が、南アフリカ共和国に向けて出発することが決まりました。この取り組みはNPO法人SAPESI-Japan(南アフリカ初等教育支援の会)が主導しており、現地の初等教育の支援を目的とした重要なプロジェクトです。
出発式の概要
2025年5月17日(土)、糸満市立中央図書館前にて出発式が行われます。式典の開始は11時からで、参加費は無料となっています。地域の皆さまをはじめ、どなたでも気軽にご参加いただけます。
式の内容は、教育長の挨拶、市民代表の感謝の言葉などが予定されており、糸満市の教育機関や地域社会が一体となって移動図書館車の新たな旅路を見送ります。また、出発式では集合写真の撮影や寄せ書きも行われる予定です。
くろしお号の寄贈先と期待
移動図書館車は南アフリカハウテン州の教育省図書部に寄贈され、主に図書館がない公立小学校を巡回します。この地域では、教育環境が十分でないため、図書館機能を持つ「くろしお号」が子どもたちの学びや夢を支える大きな希望となることが期待されています。
文化を繋ぐ架け橋
糸満市と南アフリカのハウテン州には多くの共通点があります。両地域は、多様な文化を大切にし、次世代の教育機会の充実が求められるという点で、歴史を共有しています。沖縄がかつて琉球王国として独立した文化を持つ一方、ハウテン州は「レインボーネーション」として知られる南アフリカの多民族社会であり、さまざまな文化や言語が共存しています。
移動図書館車「くろしお号」は、国境を越えて地域の未来を支える思いをつなぐ「バトンリレー」の役割を担うことができるのです。市民に親しみを持たれてきた「くろしお号」が、南アフリカの子どもたちにとって貴重な学びの機会を提供することになるでしょう。
皆さまの支援に感謝
この寄贈は、日本のNGO連携無償資金協力により実現したもので、多くの方々に感謝の意を表します。また、移動図書館車の輸送に協力している株式会社商船三井にも心より感謝申し上げます。
移動図書館車プロジェクトについて
本プロジェクトは、南アフリカの子どもたちに図書を届け、読書の機会を増やし、識字力や読解力の向上を目指した活動です。日本で使用された中古図書館車を南アフリカに輸送し、各州の教育省に寄贈して、運行に必要な支援を行います。NPO法人SAPESI-Japanが現地での巡回活動をサポートし、より多くの子どもたちに本を届ける役割を果たします。
初心者から本好きな子どもたちまで、全ての子どもたちに本との出会いを提供するこのプロジェクトに、ぜひご注目ください。