EFポリマーが実施した10億円の資金調達
沖縄を拠点とするEFポリマー株式会社がシリーズBラウンドのファーストクローズとして、第三者割当増資により総額10億円の資金調達を行いました。EFポリマーは、100%オーガニックの超吸水性ポリマーの開発に力を入れ、農業資材市場での活動を活性化しています。この資金調達は、今後のビジネス拡大や研究開発の加速を目的にしています。
グローバル展開する農業資材
EFポリマーは2020年にインド市場で農業資材「EFポリマー」の販売を開始しました。それ以降、日本、アメリカ、フランスなどへも展開し、2025年までに累計約400トンの販売を目指しています。近年の気候変動や肥料価格の高騰が影響し、この商品の需要は世界中で高まっています。実際、現在では20カ国以上で実証実験や商談が進行中です。
今後は主要市場での体制強化とともに、園芸、造園、緑化といった新たな分野にも進出していく計画です。EFポリマーの技術がもたらす利点は、農家にとって特に価値がありますが、持続可能な農業の実現にも寄与するものと期待されています。
多岐にわたる応用分野
EFポリマーは農業分野以外にも活動を広げています。化粧品や日用品向けの増粘剤をはじめ、岩谷産業と共同開発した生分解性保冷剤「Cy-Cool」、綜研化学との協業で生まれた吸水シートなども展開しています。
これにより、従来の石油由来素材に代わるオーガニックポリマーを提案し、各業界のグリーントランスフォーメーション(GX)の推進に貢献しています。
研究開発の強化
今後の研究開発(R&D)では、以下のテーマに注力していく予定です:
- - 原料の多様化:オレンジやバナナの皮以外の原料を用いた新しいポリマーの開発
- - 資源循環型モデルの構築:持続可能な製造プロセスの確立
- - 新製品開発:農業関連商品だけでなく、他の分野への応用商品を開発する
- - 生産体制の強化:グローバル規模での多拠点生産の実証と構築を進める
投資を受けた背景
今回の資金調達においては、既存の株主であるユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター(UMI)やMTG Ventures、さらに琉球銀行、Future Food Fund、津梁ファンドが新たに加わりました。今回のシリーズBラウンドは、夏に予定されているセカンドクローズに向けてさらに投資家を募集していく見通しです。
ナラヤン・ガルジャールCEOは、「EFポリマーの技術を通じて、様々な業界への影響を与えられると確信しています。今回の資金調達は、持続可能な社会実現へ向けての重要な一歩です」と語っています。
結論
EFポリマー株式会社は沖縄から、持続可能な未来に向けた新しい道を切り拓こうとしています。多様な分野にわたる商品展開と、今後の研究開発の進展が期待される中、EFポリマーの動向は私たちの生活にどのような影響を与えるのか、今後も注目していきたいところです。