消費者が選ぶブランド、2025年の調査結果発表
2025年3月21日、株式会社日経BPコンサルティングが「ブランド・ジャパン2025」の調査結果を発表しました。このプロジェクトは、消費者が評価するブランド価値を明らかにするものです。今年で25年目を迎えるこの調査では、2024年11月に実施され、なんと62,000人の消費者が回答しました。
YouTubeが最強ブランドに返り咲く
今年の「総合力」ランキングで、YouTubeが4度目の首位を獲得しました。YouTubeは89.1ptのスコアを記録し、3年ぶりの首位獲得となります。特に、利便性や革新性が高く評価されており、コンビニエントランキングで4位、イノベーティブランキングで5位と健闘しています。
この成功の背景には、ユーザビリティの改善があります。2024年5月には月間ユーザー数が7,370万人を突破し、クリエイターとの関係もより深まっています。Creepy Nutsの楽曲は2億回以上再生され、日常生活を描いた「猫ミーム」は16億回再生されるなど、YouTubeはもはや国民的なメディアとして浸透しています。
また、YouTubeショートのAI機能改善やコンテンツのシーズン化・エピソード化が、消費者の関心を惹きつけています。
トップ5に名を連ねたブランド
2位にはGoogleが86.0pt、3位にはローソンが85.5pt、4位に無印良品が84.5pt、5位にはユニクロが84.2ptと続きます。Googleはインタラクティブな検索広告を取り入れ、ユーザーに合わせたおすすめ情報の表示が好評です。一方、ローソンは物価の高騰に対抗するための独自施策が着実に評価されています。
特に、「盛りすぎチャレンジ」という増量キャンペーンがSNSでオシャレに拡散され、若い世代の心を掴んでいます。無印良品はサステイナブルな商品開発やエシカル消費を意識した施策が評価され、大幅にランクを上げました。ユニクロは商品の継続的な品質向上により、40周年を迎える2024年に多くのキャンペーンを展開しています。
上昇ブランドに注目
「総合力」の上昇ランキングに目を向けると、ローソンが13.4ptの増加、さらにNetflixが12.6ptの増加を記録しました。生茶やバンダイなどもランキングを上昇させています。また、エコ意識が高まる中で「環境に配慮している」評価でも、ユニクロが首位を獲得しています。
今回の調査では、過去最多の6ブランドが流通・ECモールであることが見逃せません。この背景には、物価高や可処分所得の減少が影響しており、消費者が関心を向ける理由が浮き彫りになります。ブランドが提供する「お得感」と「楽しさ」を両立させたコミュニケーションが、消費者の心を掴んでいるのです。
結語
「ブランド・ジャパン2025」は、消費者の評価を反映した重要な指標です。特にこれからの時代には、単に商品を提供するだけでなく、消費者とのコミュニケーションやエンタメ要素の重要性がますます高まるでしょう。今後のブランド戦略を考える上で、こうしたデータがどれほど影響を及ぼすか、興味深く見守りたいところです。