世界カメの日に沖縄で『リュウキュウヤマガメを救おう』プロジェクトが始まる
毎年、5月23日は「世界カメの日」として、カメの保護についての意識を高める日として知られています。今年は、沖縄の一般社団法人沖縄カメセンター(OKC)が、この特別な日を機に絶滅危惧種リュウキュウヤマガメを救う市民科学プロジェクト『リュウキュウヤマガメを救おう』を立ち上げました。このプロジェクトは沖縄県民、観光客問わず誰でも参加でき、リュウキュウヤマガメを見かけた際に写真や動画を撮影し、オンラインで投稿することを呼びかけています。
リュウキュウヤマガメの現状
リュウキュウヤマガメは、国際自然保護連合(IUCN)によって「絶滅危惧種」に指定されています。現在、この種の保全状況は過去25年間再評価されておらず、その間にリュウキュウヤマガメは生息地の消失や道路での死亡、さらにエキゾチックペットとしての密輸など、数々の脅威に直面しています。小さな環境の変化でさえ、彼らの生存に大きな影響を与える可能性があるため、綿密な監視が必要とされています。
プロジェクトの目的とは?
『リュウキュウヤマガメを救おう』プロジェクトは、沖縄本島、久米島、渡嘉敷島を中心にリュウキュウヤマガメの生息地を特定し、参加者が撮影したデータを収集することを目的としています。OKCは集めたデータを分析し、正式な保全報告書を作成、その結果をIUCNや沖縄県、環境省に提出します。これにより、リュウキュウヤマガメの保全状況をより正確に把握し、将来的な保護対策を強化することを目指しています。
参加方法
ステップ1:カメを見つける
沖縄の自然豊かな場所でリュウキュウヤマガメを探してみましょう。彼らはハイキングコースや公園、道路脇の森林に生息しています。特に日の出や日の入りの時間が活動的ですが、暖かい雨の日には一日中活発に動くことがあります。ここで注意すべきは、周囲の安全です。探検中は必ずハブなどの危険生物にも留意してください。
ステップ2:撮影する
カメに触れないようにしながら、写真または動画を撮影しましょう。できれば甲羅、頭、四肢、尾のクローズアップや全身画像も撮影してください。リュウキュウヤマガメかどうか分からない場合も、データを提出すれば専門家が確認します。
ステップ3:観察データを記録
観察した位置(地名またはGPS座標)、日時、天候、ダニの有無などの情報を記録します。重要なのは、場所の公開を避けることです。絶滅危惧種が違法に採取されるケースも多いため、注意が必要です。
ステップ4:データを提出
撮影した写真や動画、観察データをOKCの指定フォームにアップロードしてください。データ受付期間は2025年5月23日から12月31日までで、2020年1月以降に遡るデータも受け付けています。
このプロジェクトの意義
この『リュウキュウヤマガメを救おう』プロジェクトは、国連の持続可能な開発目標(SDG)15『陸の豊かさも守ろう』の達成に向けた重要なアクションです。また、沖縄カメセンターは、リュウキュウヤマガメのフィールド調査を25年以上行い、長期的なモニタリングに取り組んでいる非営利法人です。今後もこの重要な研究を続け、沖縄の自然環境保護に貢献していきます。
まとめ
世界カメの日に始まったこのプロジェクトに参加することで、あなたもリュウキュウヤマガメの保護に貢献できます。身近な自然を観察し、絶滅危惧種を救うお手伝いをしましょう。詳しい情報は公式ウェブサイトやSNSでご確認ください。